養子縁組をするには
今回は、前回の「養子縁組とは | 相続関係・相続税法上の取扱い」に続いて養子縁組の要件に関することを記載したいと思います。
養子縁組の要件は、民法第792条~第801条に下記のとおり定められています。
① 養親となる者は成年であること
② 養子となる者は、養親の尊属または年長者でないこと
③ 後見人が被後見人(未成年被後見人及び成年被後見人)を養子とする場合は、家庭裁判所の許可があること
後見人の任務が終了した後、まだその管理の計算が終わらない間も家庭裁判所の許可が必要となります。
④ 養子となる者が未成年者で、養親となる者が婚姻をしている場合は、夫婦共に養子縁組を行うこと
ただし、夫婦の一方の連れ子をもう一方の配偶者が養子とする場合、または、配偶者がその意思表示を行うことが出来ない場合は、夫婦の一方と養子となる者の間のみにおいて養子縁組を行うことが出来ます。
⑤ 養親となる者に配偶者がいる場合は、その配偶者の同意を得ること
ただし、夫婦共に養子縁組をする場合、または、配偶者がその意思表示を行うことが出来ない場合は、配偶者の同意は必要ありません。
⑥ 養子となる者が15歳未満の場合は、その法定代理人(親権者など)が、養子に代わって承諾をしていること
この承諾を行うにあたっては、養子となる者の父母である監護者が他にいる場合は、その者の同意を得る必要があります。また、親権を停止されている養子となる者の父母がいる場合は、その者の同意を得る必要があります。
なお、未成年者であっても15歳以上であれば、本人の意思で養子縁組を行うことが出来ます。
⑦ 未成年者を養子とする場合は、家庭裁判所の許可を得ていること
ただし、自己または配偶者の直系卑属を養子とする場合は、家庭裁判所の許可は必要ありません。
養子縁組は、当事者の協議により解消することが出来ます。そして、市区町村に届出を行うことにより離縁が成立します。
なお、養子が15歳未満である場合は、養親と養子の離縁後に法定代理人となる者(実親など)との協議で離縁を行うこととなります。
養子縁組は婚姻の規定を、離縁は離婚の規定を準用している部分があるため、養子縁組・離縁に関しても、婚姻・離婚の場合と同じように考えればよいと思います。
そのため、離婚と同じように家庭裁判所に対し、離縁の調停や訴えを行うことが出来ます。
▽次回は、特別養子縁組に関することを記載したいと思います。