遺言執行者の選任手続き
遺言により遺言執行者が指定されていない場合や、指定はされているが指定されている者に遺言執行者への就任を拒絶された場合または指定されている者がすでに亡くなっていた場合において、遺言執行者を選任する必要がある場合は、相続人その他の利害関係人により、家庭裁判所に対して遺言執行者の選任の申立てを行うことになります。
遺言執行者の選任申立てを行うことが出来るのは、相続人、受遺者、遺言者の債権者等で、申立先は遺言者の最後の住所地の家庭裁判所になります。
家庭裁判所に対し提出する書類としては、申立書、遺言者の死亡の記載のある戸籍謄本、遺言執行者候補者の住民票または戸籍の附票、遺言書または遺言書の検認調書謄本の写し及び申立人の利害関係を証する書面となります。
遺言書の検認手続きを行った場合は、検認から5年間は遺言書の検認の申立先家庭裁判所に事件記録が保存されているため、遺言者の死亡の記載のある戸籍謄本および遺言書の検認調書謄本の写しは添付不要となります。
家庭裁判所に対し申立書等を提出した後の流れとしては、家庭裁判所から回答書が申立人及び遺言執行者候補者に対し送付されてくるので、回答書に必要事項を記入のうえ、家庭裁判所に対し返送します。その後、家庭裁判所から遺言執行者選任審判書が申立人及び遺言執行者に送付されてきて、遺言執行者選任手続きが完了することになります。
遺言執行者選任審判書は、遺言執行者であることを証する書面となりますので、各手続きを行うにあたっては当該審判書を使用して行うことになります。
▽次回は、遺言無効の訴え – 偽造・認知症等に関することを記載したいと思います。