遺言執行者の就任、必要性
遺言により指定された遺言執行者は、遺言執行者に就任するか否かの意思を相続人に対して示す必要があり、就任を承諾したときは直ちにその任務を開始する必要があります。なお、就任は拒絶することも出来ます。
また、相続人その他の利害関係人は、遺言執行者に対し相当の期間を定めて、その期間内に就任を承諾するか否かの催告をすることが出来、遺言執行者がその期間内に相続人に対して回答をしないときは、就任を承諾したものとみなされることになります。
なお、未成年者及び破産者は、遺言執行者になることは出来ません。
利害関係人は、遺言執行者がその任務を怠ったとき、またはその他の正当な事由がある場合は、遺言執行者の解任を家庭裁判所に請求することが出来ます。
また、遺言執行者は、正当な事由があるときは家庭裁判所の許可を得て、遺言執行者を辞任することが出来ます。
なお、やむを得ない事由がある場合は、第三者にその任務を行わすことが出来ますが、第三者にその任務を行わすことを遺言者が遺言により反対の意思を示していた場合は、第三者に任務を行わせることは出来ません。
遺言執行者は必ず選任しなければならないものではありませんが、遺言により認知が行われている場合や推定相続人の廃除または廃除の取消しが行われている場合は、遺言執行者がこれらを執行する必要があるため、相続人その他の利害関係人は、家庭裁判所に対して遺言執行者の選任の申立てを行う必要があります。
また、遺言執行者がいない場合は、相続人全員の協力により遺言を執行することになるため、相続人全員の協力を得ることが出来ない場合は、家庭裁判所に対する遺言執行者の選任の申立てを行い、遺言を執行する必要があります。
遺言執行者に報酬が支払われる場合の報酬額は、遺言にその定めがある場合は遺言の内容に従い、特に定めがない場合は、家庭裁判所が相続財産の状況その他の事情によって遺言執行者の報酬を定めることが出来ます。
▽次回は、遺言執行者の選任手続きに関することを記載したいと思います。