孫への教育費の贈与 | 都度贈与と一括贈与
孫への贈与の非課税制度には、以前から存在する都度贈与と平成25年4月1日から平成27年12月31日までの時限的措置である教育資金の一括贈与とがあります。
夫婦や親子、兄弟姉妹などの扶養義務者間における生活費や教育費に使用する範囲の贈与に関しては贈与税が非課税となります。
贈与税が非課税になる財産は、生活費や教育費として必要な都度贈与され、直接当該費用に使用された財産のみとなります。
扶養義務者には、配偶者及び民法第877条の定めによる直系血族、兄弟姉妹並びに家庭裁判所の審判を受けて扶養義務者となった三親等内の親族があたるため、祖父母から孫への生活費や教育費の贈与は非課税となります。
ただし、必要な都度、贈与を行う必要があるため、例えば孫が大学に入学するにあたって4年間の在学中に必要な生活費や教育費を一括して贈与した場合は贈与税が課されることになります。
そのため、孫の教育費が必要な期間に祖父母が亡くなると、贈与出来なかった教育費相当額が相続財産となり相続税が課されることになります。
祖父母から孫または親から子への教育資金の贈与が行われた場合、一括贈与の場合であっても受贈者1人につき最大1,500万円までが非課税となる制度が、平成25年4月1日から平成27年12月31日までの時限的措置として制定されています。
贈与の方法としては、贈与者が教育資金に充てるための受贈者名義の口座を信託銀行等につくり、贈与金額をこの口座に入金することにより贈与が成立します。
ただし、教育資金に充てるための贈与であるため、受贈者は教育費の支払いに使用したことを証する領収書等を金融機関に提出しなければ、お金を引き出すことは出来ません。
また、教育資金の範囲としては学校に支払う入学金、授業料、学用品の購入費、修学旅行費、学校給食費等となります。そして、塾や習い事、予備校の費用など学校外の費用に関しても1500万円のうち500万円までは非課税となります。
なお、当該制度により贈与を受けた財産を、受贈者が30歳に達するまでに使用出来なかった場合は、30歳に達した年の贈与税の課税価格にその残額が加算されることになります。そして、当該年に贈与を受けた金額が基礎控除額(現行110万円)を上回る場合は、贈与税が課されることになります。
ちなみに、都度贈与と一括贈与の併用適用は可能となります。
▽次回は、住宅取得等資金の贈与に関することを記載したいと思います。