不動産の生前贈与 – 登記、取得税
不動産を生前贈与するためには、贈与者と受贈者の間で贈与契約を締結したうえで、不動産の名義変更として贈与による所有権移転登記を行う必要があります。
所有権移転登記は、贈与者を権利者、受贈者を義務者として、贈与対象となる不動産の所在地を管轄する法務局に対して行うことになります。
登記申請書に添付する書類としては、贈与が成立したことを証する登記原因証明情報、贈与者の印鑑証明書、受贈者の住民票の写し及び登記済証または登記識別情報となり、贈与者は実印を押印する必要があります。
ちなみに、農地を相続した場合は農地法の許可は必要ありませんが、贈与をする場合は農地法の許可を取得する必要があります。
また、所有権移転登記を行うにあたっては、登録免許税として固定資産税評価額の2%の金額を納める必要があります。
不動産の贈与を行った際の税金としては、贈与税及び登録免許税の他に、不動産取得税が課されることになります。
ただし、贈与の対象の建物が昭和57年1月1日以降に建築されたもので、住宅部分の床面積が50㎡以上240㎡以下であり、受贈者が居住する場合は、既存住宅取得による軽減措置を受けることが出来るため、内容によっては不動産取得税が発生しない可能性もあります。
また、贈与を行うにあたり相続時精算課税を選択した場合は、不動産の相続税評価額が2,500万円以下である場合は贈与税を納める必要はなく、2,500万円を超える場合は、超えた金額に対する20%の贈与税を納める必要があります。
ちなみに、相続の場合は、不動産取得税は非課税となります。
贈与者が不動産を取得した時の価額を受贈者がそのまま引き継ぐことになるため、不動産譲渡所得税は課されません。
そのため、受贈者が将来当該不動産を売却した際は、売却価額から贈与者の取得価格及び取得、贈与、売却に要した費用を差し引いた金額に対し、不動産譲渡所得税が課されることになります。
▽次回は、不動産取得税に関することを記載したいと思います。