負担付贈与の課税
負担付贈与とは、受贈者に一定の債務を負担させることを条件にした贈与契約です。
例えば、「受贈者に対して自宅を贈与する代わりに、贈与者に対し毎月○万円の生活費を支払う。」といった内容の贈与契約です。
負担付贈与は、通常の贈与と異なり、贈与者はその負担を限度として売買における売主と同じ担保責任を負います。また、当事者双方に債権・債務関係が生じるため双務契約となり、受贈者が負担を履行しない場合、贈与者は贈与契約を解除することが出来ます。
そして、負担付贈与は、贈与を受けた財産の価額から負担額を控除した価額に贈与税が課されることになります。
この場合の課税価格は、贈与を受けた財産が土地や借地権、家屋、構築物等である場合は、贈与時の通常の取引価額に相当する金額から負担額を控除した金額となります。
これに対し、贈与を受けた財産が上記以外の財産である場合は、当該財産の相続税評価額から負担額を控除した金額が課税価格となります。
なお、負担付贈与の負担額が第三者に対し利益を与えるものである場合は、負担額に相当する金額を当該第三者が贈与により取得したことになります。そのため、当該第三者の受贈額の合計が基礎控除額を超える場合は、当該第三者に対しても贈与税が課されることになります。
▽次回は、夫婦間の贈与 – 贈与税の配偶者控除に関することを記載したいと思います。
