贈与契約
贈与契約とは、贈与者(財産を与える者)が自身の財産を無償で受贈者(財産をもらう者)に与える意思を表示し、受贈者がこれを受諾することによって成立する契約です。
そのため、贈与者が一方的に財産を受贈者に対し譲渡したことを主張したとしても、受贈者がそのことを知らなければ成立しません。
ちなみに、贈与契約は一方だけが債務を負担し、相手方はなんら債務を負わない契約であるため片務契約となります。これに対し、売買契約等のように当事者双方に債権・債務関係が生じる契約を双務契約といいます。
ただし、当該贈与が受贈者に一定の債務を負担させることを条件にした負担付贈与である場合は、当事者双方に債権・債務関係が生じるため双務契約となります。
贈与契約は、通常の契約と同様に書面によらなくても成立しますが、書面によらない場合は、履行の終わっていない部分に関しては各当事者が一方的に撤回することが出来ます。
また、通常の贈与は相手方が債務を負わない契約であるため、贈与者は贈与の対象である物または権利の瑕疵・不存在についての責任を負う必要はありません。ただし、贈与者がその瑕疵・不存在を知りながら受贈者に伝えなかった場合は責任を負う必要があります。
これに対し、負担付贈与に関しては、贈与者はその負担を限度として、売買における売主と同じ担保責任を負うことになります。
この他に、贈与の種類には定期贈与と死因贈与があります。定期贈与とは、定期的に受贈者に対して給付を行う贈与であり、贈与者または受贈者の死亡により効力を失うことになります。死因贈与とは、贈与者が亡くなることを条件として効力が発生する贈与契約です。死因贈与の詳細はこちら
▽次回は、暦年贈与と連年贈与 – 生前贈与に関する税金に関することを記載したいと思います。