共有不動産の遺産分割による名義変更
3年程前にお亡くなりになられた方のご自宅名義を、法定相続分どおりに名義変更したが、やはりご相続人様のうちのお1人名義にしたいとのご相談でした。
ご相続内容 | |
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お亡くなりになられた方のご住所 | 大阪 |
ご相続人様のご住所 | 大阪、東京、横浜 |
ご相続人様 | お子様3名 |
所有不動産 | ご自宅 |
ご相続発生時は、特に考えることなく法定相続分どおりに各3分の1の持分で名義変更をされ、現在共有状態であるとのことでした。
しかし、ご相続人様のうちお1人だけが居住を続けているため、話し合いをされた結果、この方の単独名義にするのがよいということになったとのことでした。
そこで、ご相続発生時に不動産の名義変更を行うにあたり、遺産分割協議書を作成していないかの確認をさせて頂きましたところ、特に作成はしていないとのことでした。実際に、当時の書類も拝見させて頂きましたが、特に作成されている形跡はありませんでした。
そのため、3年程前に発生したご相続に関するものとして、今回はじめて遺産分割協議書を作成させて頂き、共有不動産を単独名義に変更させて頂きました。
もし、ご相続発生時に遺産分割協議書を作成していた場合は、今回、遺産分割協議を再び行うことは遺産分割の合意解除にあたります。
そして、一旦確定した財産の所有関係を再び当事者の意思表示で変更を行うことは、新たな財産処分行為とみなされ、これが無償の譲渡である場合は、不動産を取得された方に贈与税が発生することとなります。
今回に関しては、一度も当事者間において当該不動産に関する遺産分割を行ったことがなく、ただ法定相続分どおりに名義変更を行っただけであったため贈与税が発生することはありませんでした。
ちなみに、不動産の名義変更の内容としては、遺産分割を原因とする他のご相続人様2名からの持分の全部移転となります。