過去の遺産分割調停に基づく不動産の名義変更及び売却
元々のご相談内容は、今回お亡くなりになられた方のご自宅及び預貯金の名義変更手続きを行ってほしいとのご相談でした。
ご相続内容 | |
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お亡くなりになられた方のご住所 | 兵庫 |
ご相続人様のご住所 | 兵庫 |
ご相続人様 | お子様2名 |
ご相続財産 | ご自宅 御祖父様のご相続人様の共有名義不動産の 持分1部 預貯金3,000万円(4社) |
御祖父様のご相続人様名義の 不動産所在地 |
兵庫 |
御祖父様のご相続人様のご住所 | 兵庫、東京、熊本 |
御祖父様のご相続人様 | 奥様、お子様2名、お孫様2名 *奥様(ご相談者様の御祖母様)はすでに お亡くなりになられており、お子様のうち の1名が今回お亡くなりになられた方です。 |
ご面談時に、ご相続財産の内容をお聞かせ頂いたところ、預貯金とご自宅及び御祖父様のご相続人様名義の不動産があるとのことでした。
御祖父様のご相続人様名義の不動産に関しては、複雑な事情があるためひとまず置いておいて、銀行手続き及びご自宅を現在居住されているご相続人様名義へ変更する手続きを行ってほしいとのことでした。
そのため、銀行手続き及びご自宅の名義変更に関しては、その場で受任をさせて頂いたうえで、御祖父様のご相続人様名義の不動産に関するご事情を詳しくお聞かせ頂きました。
すると、御祖父様の遺産相続の際は、御祖母様がご存命であったため特に問題なく済んだそうですが、御祖母様がお亡くなりになられた際に、ご相続人様間でのお話合いがつかず、家庭裁判所で遺産分割調停を行うことになったとのことでした。
なお、御祖父様の遺産相続時には不動産の名義変更を行わずに放置していたようですが、御祖母様がお亡くなりになられた際に、御祖母様のご相続人様のお1人が単独で、御祖父様のご相続人様名義に法定相続分通りの名義変更を行ったとのことでした。
さらに、御祖母様名義で作成された遺言書を使用して、御祖母様に名義変更された持分を、この方名義に変更されたとのことでした。
遺産分割調停の結果、御祖母様から名義変更された持分に関しては、一旦御祖母様名義に戻し、この持分を御祖母様のご相続人様名義に変更したうえで、即売却を行い、その売却代金を各持分の割合にて分配するという内容の遺産分割調停が行われたとのことでした。
しかし、御祖父様のご相続人様名義の不動産は主要道路に面しておらず、駅から遠かったため、すぐに買い手が見つからず、御祖父様のご相続人様名義のまま放置をしていたそうです。
ご相談者様としても、出来ればこの状態を早く解消したいと望んでおられたため、御祖父様のご相続人様名義の不動産の所在地をお聞きし、遺産分割調停調書を拝見させて頂きました。
そして、当センターにて、当該不動産の売却及び名義変更手続きを行わせて頂くために、遺産分割調停の相手方を含めた、関係者全員とご連絡をとることが出来るかお聞きしたところ、可能であるとのことでしたので、ご連絡をとって頂きました。
その結果、相手方も他の皆様もこの状態をはやく解消することを望んでおられるとのことでしたので、売却活動を行わせて頂くこととなりました。
買い手を探させて頂いたところ、ご希望の金額より、もう少し低額であれば買い取りを行いたいとお申し出頂いた不動産会社があったため、ご相談者様方にご確認をさせて頂いたところ、先方の申出金額での売却にご同意されたため、売買契約が成立することとなりました。
なお、売買契約成立後、所有権移転に必要な書類及び売買代金のやりとりを行うための立会いの際には、遺産分割調停の相手方とは、お互いに顔を合わせたくないとのことでしたので、時間を2回に分けて立会いを行わせて頂きました。
また、御祖父様のご相続人様への法定相続分通りの登記が既にされておりましたが、皆様、この不動産登記簿上の住所から別の住所へ移転をされていました。
さらに、当該不動産の前面道路の持分の1部も、御祖父様が所有されており、御祖父様名義のままであったにも関わらず、当該遺産分割調停への記載が漏れていました。
そのため、この道路持分に関して、遺産分割調停と同じ持分割合による遺産分割協議書を別途作成させて頂くこととなりました。
以上の結果、当該不動産の名義変更の内容としては、①共有者全員の住所変更、②御祖母様から相手方名義に変更された持分移転の抹消、③遺産分割調停に基づく御祖母様から御祖母様のご相続人様に対する所有権移転、④御祖父様のご相続による道路持分の所有権移転、⑤今回お亡くなりになられた方からご相続人様2名への相続による持分移転及び⑥売買による所有権移転をさせて頂きました。