比準要素数1などの特定会社の株式評価
前回に続き、「特定の評価会社の株式」のうち、以下の③から⑥までの該当要件及び相続税課税評価額の算定方法を記載します。
①株式保有特定会社 ②土地保有特定会社 ③比準要素数1の会社
④開業後3年未満の会社 ⑤開業前または休業中の会社 ⑥清算中の会社
比準要素数1の会社とは、類似業種比準方式による株価を算定するための要素である、配当・利益・純資産の3要素をその算定方法に従い算出した場合に、3要素のうち2つが直前期末においてゼロであり、かつ、3要素のうちいずれか2つ以上が直前前期末においてゼロである会社(上記①②④⑤⑥に該当するものを除く)のことをいいます。
つまり、直前期末において2つがゼロであっても、直前前期末においてはゼロの要素が全くないか1つだけの場合には、比準要素数1の会社とはならず、通常どおりに評価をすることが出来るということです。
なお、直前前期末の各要素の価額は、直前前期末を基準にして各要素の価額算定方法に従い算出することになるため、配当及び利益に関しては直前期末以前3年間の実績を反映して判定を行うことになります。
そして、比準要素数1の会社における株価の算定方法は原則として純資産価額方式となりますが、類似業種比準方式と純資産価額方式の併用方式を選択することも出来ます。
この場合の類似業種比準方式の割合は会社の規模に関わらず25%となります。なお、直前期末において3要素すべてがゼロの会社は純資産価額方式のみで評価することになります。
開業後3年未満の会社(上記⑤または⑥に該当するものを除く)における株価の算定方法は純資産価額方式となります。
開業前または休業中の会社における株価の算定方法は純資産価額方式となります。
清算中の会社における株価は清算分配見込額により評価します。
▽次回は、相続税の計算方法を記載したいと思います。